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ここに映し出されるふたつの幻燈は、わたしたちの日常にふと滑り込み、肥大した日常の膜を削ぎ、切り裂き、その間隙に生じる場面です。それはだれにでも訪れ、だれでも見たり感じたりします。ときどきしかそれを見ない人もいますし、ひんぱんに感じる人もいます。
クラムボンが笑う理由も、殺された理由も、永遠にだれにもわかりません。お魚が行った「こわいところ」がどこなのか、永遠にだれにもわかりません。でも、蟹のおとうさんが言うように「だいじょうぶ」なのです。なぜ「だいじょうぶ」なのかって? それを説明する言葉を探すのはしばしやめて、たとえば、蟹の子の棲む川面をぼんやりながめてください。今が五月なら、新緑のそよぐ木々を、その木漏れ陽を。そしてかすかな葉ずれの音を聴いてください。
いいにおいのやまなしがふいに天から落ちてきます。それは、待っていても、待っていなくても、あるとき、ふいに落ちてきます。落ちてきたときはついて行ってみましょう。いい匂いにさそわれるままついてゆきましょう。そしてひとりでにお酒になるのを待ちましょう。
例年になく長かった冬が終わり、やっと「桜が咲いた」とお花見に浮かれているうちにゴールデンウィークが迫ってまいりました。
かわうそ兄弟商會よりイベントのお知らせです。
4月27日~30日の4日間、横浜の赤レンガ倉庫で「クラフトフェスタ2012」が開催されます。今回で14年目を迎える、春恒例のクラフトフェスタです。織物、ガラス、陶芸、木工、アクセサリー、さまざまな工芸品が並ぶなかに、かわうそ兄弟商會の藍染めも参加いたします。詳細はこちらから。
新作、単行本(四六判)ブックカバーもデビューいたします。
「四天王寺夕陽が丘」という地下鉄谷町線の駅で降りる。地名が表わすごとく今も夕陽の名所らしい。四天王寺の西門(さいもん)からは、春秋の彼岸の日、まっすぐに日没が見える。湾が近くまで迫っていた地形の時代は夕日は海に落ちた。
急に誘われて大阪に行った。京都も奈良も幾度となく行ったことがあるが、大阪はいつも通り過ぎるだけで(乗り換えとか、そのついでに梅田でごはんを食べたとか)落ち着いて特定の場所を訪ねたことがない。どこに行こうと思いめぐらせて最初に浮かんだのが四天王寺だった。
「弱法師(よろぼし)」という能がある。友枝喜久夫さんがシテをつとめた「弱法師」をDVDで観て印象に残っていた。盲目の青年(姿からは少年と言った方がいいかもしれない)俊徳丸(しゅんとくまる)の物語。「出入の月を見ざれば明暮の夜の境をえぞ知らぬ。難波の海の底ひなく深きおもひを人や知る…」シテの登場とともに謡われるこの一節で、盲目の弱法師の悲嘆の境地がずしりと胸に迫り、とたんに引きこまれてしまう。
3月14日がホワイト・デイと呼ばれるのは、2月14日がヴァレンタイン・デイだからであって、ホワイト聖人の殉教日なわけではなく、ヴァレンタインの贈りものに対してお返しをしましょうと、日本でいつからか定着した記念日です。
さて、3.14という数字の並びから、3月14日は「円周率の日」そして「数学の日」だということを知っている人は少ないのでは。記念日好きな日本人の、そのなかでも理系な人たち、数学好きの人たちのごく内輪なマイナー記念日にすぎぬのかと思っていたら、そうではなくて、世界各国で3月14日を「円周率の日」として楽しんでお祝いしている人たちがいるらしく、ホワイト・デイよりよっぽどメジャーな記念日なのでした。
急なお知らせです。 3月のトリプルな合同展。
小林敏也「宮澤賢治作/ポラーノの広場」原画展 羽生田有紀&かわうそ兄弟商會の藍染め展
小林敏也/画本宮澤賢治シリーズの販売もいたします。 ぜひおでかけください。
国立ギャラリーゆりの木 2012年3月6日(火)~3月11日(日) 午前11:00~午後7:00 (初日午後2時~/最終日~午後5時) 地図・ギャラリ―詳細はこちらから
2012年2月22日。藍染めのシャツを注文してくださった「おもしろ学校」主催の名取さんといっしょに八王子野口紺屋へ行く。1月に糊置きや染めに通った時期はほんとうに底冷えする寒さだったが、この日はずいぶん寒さもやわらいでいた。名取さんは山梨のご出身で、父方の本家が「紺屋(こうや)」という屋号を持っていたそうだ。そんな話を名取さん、野口さんとしながらのんびりシャツを染める。藍染めをするときは、もちろん、てきぱきと動くことはたいせつなのだが、決して焦らず、あわてず、どこかのんびりかまえておくほうがいいのです。 名取さんの話を受けて野口さんが、「紺屋はね、昔はどこにでもあった、村にも町にも。今、クリーニング屋とかコンビニとか、どこにでもあるように、どこにでもあったんですよ」とおっしゃる。「でも、要らなくなっちゃったんだね。世間では要らなくなっちゃった商売なんですよ。」 だけど、そのあと、続けてこう言われた。 「でもね、これからの時代はね。またこういう商売が、こういうやり方が、必要になってくるんじゃないかなあ。」
完売御礼。今後の生産予定などについてはお問い合わせください。
2月14日はキリスト教のヴァレンタイン聖人の殉教日。ヴァレンタイン聖人は恋人たちの守護聖人とされていますが、なぜそうなったのか?という起源説には種々あって、けっこうややこしいのでここでは割愛。ヨーロッパでは古くから、この愛の守護聖人にちなんで2月14日に恋人や親しい人に贈りものをする習慣があります。
幻燈会が終わりました。 このたびの幻燈会は、画面が変わるとき、「がしゃっ」と音の鳴る、アナログな幻燈機を小林さん自ら幻燈技師になっていただいて上映しました。 朗読係ときたら、ひとまえで朗読するのは二度目でした。(小学校などであてられたとき以外ね。) はじめてひとまえで朗読したのは15年以上も前で、斎藤悦子さんの詩を読んだのでした。それは短い詩が数編で、わたしの持ち時間もたぶん20分くらいだったと思います。 このたびの18日の晩は、かわうそ兄弟商會の藍染めブックカバーにその詩句を彫った、「青森挽歌」と「春と修羅/序」、童話の「黄いろのトマト」をとりあげました。「青森挽歌」は長編詩で約20分、「黄いろのトマト」も童話なので約40分くらいかかります。のどが、声が、最後まで保てるか心配でしたが(しかも5日ほど前から不覚にも風邪気味だったので)なんとか掠れることなく読みきることができました。 でも実は、読んでいるというより、暗唱に近いものだったのです。文字は目で追っているのですが、一定のリズムに乗ると、暗唱に近くなります。練習で何度もくりかえし読んでいると、歌をうたうように、つぎからつぎへとことばが出てくるのです。